オーストラリアのメルボルンを拠点に活動しているジプシールンバユニット、その名も「La Rumba」。
オーストラリアのGKトリビュートバンドとしては唯一とも言える「La Rumba」は、2009年の後半に結成され、地元メルボルンのストリートやバーなどで定期的にパフォーマンスを行っています。
様々なバックグラウンドを持つメンバーの音楽性が融け合い、洗練されたカジュアルなジプシールンバを聴かせてくれます。
言い意味でジプシーやラテンの土臭さが取り払われた感じがあり、本場南仏のミュージシャンとはまた別の良さを醸し出しています。
メンバー構成
コアメンバーとして活動する4人のアーティストのプロフィールを簡単に見てみましょう。
Michael Rajab(ギター/ボーカル/カホン)
レバノン人のドラマーとフラメンコアーティストの母親の間に生まれ、幼い頃から音楽的な環境の中で育った。それがアラブ音楽とフラメンコ音楽へと精通する原点となった。20代の時にギターとパーカッションをプレイし、その後アラブやジプシーのリズムを取り入れたフラメンコギターの魅力に取りつかれる。
Toby Hack(リードギター/ボーカル)
ジャズやファンク、ブルースギタリストとして18年のキャリアがあり、その後2004年にフラメンコギタリストに転向。本場スペインで著名なギタリストに師事する。
Jarrod Rojo(リードボーカル)
メルボルンで生まれ育ち、幾つかロックのカバーバンドで活動。大舞台に憧れを持ちつつ、行きついた先はフラメンコ音楽。La Rumbaのリードボーカルとして地響きのような力強い歌声を披露している。
Jaime Francisco Carrasco(ベース/ボーカル)
南米チリからの移民で音楽業界において長年マルチな楽器奏者として活躍。伝統的な南米音楽を主軸にキャリアを積み上げて来た。
10代後半でオーストラリアを中心に海外ツアーを行ったり、様々なアルバム制作に参加し幾つもの世界的な音楽祭に出演するなど、豊富な経歴を持つ。
以上、「allegro」より
メインの活動はストリートライブ
YouTubeで「La Rumba」を検索すると、とにかくストリートでの演奏ばかりがヒットします。ショッピングモールやデパートの前など、人通りの多いところに自前のPAを設置し、椅子に座りながら演奏するスタイルが定番となっているようです。
source:flickr "Sheng Han"
風貌もお揃いの衣装などではなく、普段着で自由な雰囲気。
センターの二人(スキンヘッドのジャロッドとたくましい体つきのマイケル)を見ると、ジプシールンバのバンドには見えないコワモテっぷり。しかし演奏はガッチリ・タイトなジプシールンバ。そのギャップもおもしろい。
曲のレパートリーはややマニアック!?
Gipsy Kingsのカバーバンドと言うと鉄板の5曲(Bailame、Djobi Djoba、Bamboleo、A mi manera、Volare)が思い浮かびます。当然これらの曲もレパートリーにあるのだろうが、Youtubeにアップされた彼らの演奏を見ると、割とマニアックな選曲が目立ちます。
Gipsy Kingsカバー
La Rumba | Una Rumba Por Aqui
La Rumba - Donde Esta Mi Amor (Gypsy Flamenco)
La Rumba | La Tounga
これらの曲はGipsy Kingsのファンなら知っているかもしれないけど、そうでない人にとってはかなりマニアックな曲と言えるのでは。
また、GKナンバーでもちょっとしたアレンジを加えている場合があり、彼らなりのオリジナリティーを感じることができます。
例えばGipsy Kings「Tristesa」のカバー。
リズムの取り方や途中のサビのアレンジがおもしろい。
La Rumba in front of Myer, 21-8-2011 (HD)
そのほかルンバ曲のカバー
GKモノ以外にもレパートリーのバラエティがあり、独自のアレンジがおもしろい。
La Rumba - Porompompero (Spanish & Arabic)
これは往年のルンバナンバー「Porompompero」のアラビア語バージョン。
レバノンの血を引くボーカルMichaelのなせる技か。
カタルーニャルンバデュオ、Los Amayaの名曲「Caramelos」も。
オリジナルアルバム制作は?
La RumbaのオフィシャルWEBサイトは現在閉鎖中(ドメイン期限切れ?)。
活動レポートなどはFacebookページで不定期に更新されています。
その中で最新のアルバムリリースについての記述があるが詳細はいまだ不明です。
アルバムがリリースされたら当サイトでも紹介していきたいと思います。
後記
Gipsy Kingsの正統派カバーバンドのはずなのに、どこかロックっぽさを感じてしまうのは、南仏から遠く離れたオーストラリアと言う土地柄か、たまに聞える英語なまりのスペイン語か、彼らのカジュアルな風貌のためか。
GKをリスペクトしつつも、その色に完全に染まるのではなく、「こうでなくてはいけない」という固定概念を取り払ったカッコよさがあります。
「ジプシールンバ=Gipsy Kings」という鎖みたいなのを振りほどく鍵・・・。
彼らの演奏を見ていてなんとなくそんなイメージが湧きました。
今後の活動状況も見守っていきたいです。