アメリカを拠点にあらゆるジャンルのミュージシャン、グループを斡旋しているエンターテイメント専門のタレント事務所があります。
BEST ENTERTAINMENT INCというズバリな名称の総合マネージメントオフィスで、WEBサイト(bestliveentertainment.com)に登録されているアーティスト群を見ると、とにかくビックリさせられます。
ロックやポップスはもちろん、アフリカン、バレエ、ブラジリアン、ディスコ、フレンチ、オペラ、ケルトなど、ありとあらゆるジャンルの音楽やダンスのパフォーマーがデータベースとして登録されています。
様々なジャンルのパフォーマーが登録。ジプシー、フラメンコのカテゴリーも
それぞれのパフォーマーのプロフィールやクライアントレビュー、映像や音源などがキッチリと整備されており、ニーズに応じてチョイスすることが可能になっています。
気に入ったアーティストがいればコンタクトフォームですぐに問い合わせ&申し込みも可能になっています。
様々な人種が混在し、世界のあらゆる芸能・文化が集中するアメリカは、それだけに多様な趣味嗜好を持った人々がいるということ。
このデータベースは、そのようなクライアントのニーズに応えられるに十分なボリュームとも言えそうですね。
また、パーティーやイベント、結婚式などでエンターテイメントを重視し、合理的な手段を好むアメリカならではのシステムと言えます。
日本にもこういったパフォーマーブッキングを行う業者は多数存在しますが、アメリカの足元にも及ばないレベルと認めざるを得ません。
(追記:この「BEST ENTERTAINMENT INC」はアメリカ国内だけでなく全世界のクライアントに向けてパフォーマーを提供しているようです。)
さて、前置きが長くなったけど、「ジプシー」や「ギタリスト」と言うジャンルも当然のことながら存在し、それぞれ腕のあるパフォーマーが登録されています。
そして注目すべきは「フラメンコ」というジャンル。
踊り手やカンタオール、ルンバフラメンカのユニットなど、他のジャンルにはないほどのたくさんのパフォーマーが登録されており、ここにGipsy Kingsトリビュートバンドなるグループが幾つか登録されているのを発見しました。
登録されている5つのGipsy Kingsカバーバンド
データベースに登録されている5つのGKカバーバンドを紹介します。
LOS ANGELES GIPSY KINGS TRIBUTE BAND 1
データベースに登録されているGKカバーバンドのうち、このバンドが最も実力があるように感じました。
ロスアンジェルスを拠点に活動しているバンドのようだが詳細は不明。
ステージのサウンドは初期のGipsy Kingsを彷彿とさせます。
ギタリストや歌い手のスキルもなかなかのもの。
オリジナルがあるのなら是非聴いてみたいところですね。
Los Angeles Gipsy Kings Tribute Band 1 video 2
少人数でライブを行う時はリズムマシーンなどをうまく活用しているようです。
Los Angeles Gipsy Kings Tribute Band 1 Video 5
GIPSY KINGS TRIBUTE BAND 1
スペインを拠点にGipsy Kingsやルンバフラメンカを演奏するグループ。
映像や音源を視聴してみると、丁寧な歌い回しとどこか哀愁漂うコブシが特徴的。
これはスペイン風のルンバフラメンカスタイルをGipsy Kingsに応用している感じがします。
UK GIPSY KINGS TRIBUTE BAND 1
こちらはイギリスを拠点に世界的に活動するグループ。
音源を聞くとリズムの取り方にややクセのある独特な印象を受ける。発音もたまに英語風なのは致し方ないところでしょうか。
何より驚くのはクライアントのそうそうたる名前の数々。ロッド・スチュワートのプライベートライブやサウジアラビアの皇太子、デビッドベッカム、アゼルバイジャンの大統領の誕生日パーティーなど、世界的な著名人のパーティーに数多く参加しています。
Baila Medley
FRANCE GIPSY KINGS TRIBUTE BAND 1
本家と同じフランスを拠点に活動するグループ。
ボーカルはカマルグ出身の歌い手らしい。
メインとなる4人のギタリストの他、パーカッションやキーボードなどバックミュージシャンも充実。
サイトの説明によると「本家Gipsy Kingsの決定的な代替手段として提供」とあり、相応に実力のあるバンドと見受けられます。
My Way
REYES HERITAGE
ユニット名「Reyes家の遺産」は伊達じゃない。なぜならGipsy Kingsのボーカル、Nicolas Reyesの息子、George "Baule" Reyesとその従兄のギタリストMario Reyesによるバンドだから。
恵まれた音楽環境の中で育った彼らは少年時代からユニットを組んで活動を続け、現在はこの「REYES HERITAGE」で世界的な活動を行っています。
彼ら二人の他に、Paul Santiagoというアンダルシア出身のギタリスト、そしてGeorgeの息子(つまりNicolas Reyesの孫)であるJordan Reyesを加えた4人がコアメンバーとなっています。
Gipsy Kingsの血を受け継ぎつつも彼らに依存するのではなくて、自分たちのオリジナルの音楽を積極的に演奏していることも特徴的。プロデューサー、作詞作曲家としてのGeorgeの才能が発揮されています。
活動の幅を広げるためか、このアーティストデータベースに登録されているあたりも抜け目がない。
WORLD CUP 2014 song A Brazil REYES HERITAGE fils de Nicolas Reyes singer (gipsy RumbaMusic)
Las Penas
後記
以上、それぞれ特徴のある5つのバンドがGipsy Kingsのトリビュートバンドとして紹介されていました。
「パーティーやイベントなどの最中にGipsy Kingsのライブで盛り上がりたい!だけど本家を呼んだら明らかに予算オーバー・・・。」
「ならば実力のあるカバーバンドを呼ぼう!」
・・・このような発想をとらえ、しっかり要望を満たしてくれるアーティストブッキングサイトは、合理的な考え方を好む欧米人ならではのサービスと言えます。
そしてこれら5つのバンドは、本物じゃないけれど十分にGKライブを楽しませてくれることでしょう。
欧米はやっぱりいろいろ進んでるな・・・。